2020年 新年のご挨拶

2020-01-05

新年、あけましておめでとうございます。

昨年、関東地方では、台風の直撃が3度もあり、これまでにない被害を被った地域が沢山ありました。
「地球が温暖化するとどのような影響が出てくるのか?」ということは、私が学生時代の頃から言われていたことなのに、なんとなく、「まだ大丈夫」と、ずっと思い続けてきていました。

しかし、台風の直撃を受けて、一歩も外に出られない部屋でニュースをつけっ放しにしながら(その頃、グレタ・トウーンベリさんが話題になっていたりしました)仕事をしつつ、「自分はガーデナーとして何が出来るのか?」と考える。そんな時間を過ごしていました。

『「自然」という幻想』 エマ・マリス(著) 岸由二・小宮繁(訳)という本で、
「私たちが注目するべきは、町の一角の草地、都市河川の周辺の工業地域の緑、農地や再生のすすむ森等々、人々の暮らしの背景にある自然だ。そこから地球に広がってゆく大地そのものなのだ。そこから新しい自然保護がはじまる」
と、呼びかけられています。こういうエリアのことを、日本語では「多自然ガーデン」と呼ぼうと。

また別の章では、「造園家は、毎年新しい植物を利用して、適応方策を試すことができる。農業や都市計画の領域ではそうはいかない。」
と、「造園家が温暖化適応策にかんする情報提供者」としての役割を果たすことができるという提案もされています。

また別の日、台風による各地の洪水の被害を、連日の報道で目の当たりにした後に受けた、ランドスケープデザイナー廣瀬俊介さんのセミナーでは、「雨水を敷地内でどれだけ地面に浸透させ、一気に下水に流さないようにするか」という考え方、また、流域における河川増水時の水の逃がし方の知恵(これらの内容は『風景資本論』という本に詳しく書かれています)などを知り、これまで、いかに自分が、狭い領域でガーデンを考えていたかということを反省したりしたこともありました。

ガーデナーが、もっと広い視点をもって活動していくことによって、より、自然環境に寄与することができるのだということを知り、そのことを、もっと多くの方に伝えたいと思いました。
そして、今年は、そんな活動も増やしていきたいと考えています。

本年も、よろしくお願い申し上げます。

すべての庭をオーガニックに!

株式会社Q-GARDEN
代表取締役 小島理恵

カテゴリー: COLUMN
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