新年あけましておめでとうございます。

今年のご挨拶は『造園連新聞』の「千樹萬幹」に掲載させていただいた文章をこちらにも掲載させていただくことで、ご挨拶に代えさせていただきたいと思います。

ー森の話　庭のことー

科学の発達とともに、土や微生物にまつわる様々なことがわかるようになり、森や土の世界への関心も高まってきているように感じます。

森林生態学者スザンヌ・シマード教授の研究によると、森の土中は、インターネットのように接続した菌根ネットワークが形成され、木々同士がインタラクティブに情報交換や栄養の受け渡しをしているそうです。これによって、森林は、地上部だけではなく、地下の土壌の部分も含めて「ひとつの森」といえるのだということがわかります。

ガーデンで植栽された植物同士も、何年か一緒にいるようになると、ネットワークが形成されていくのでしょうか？

病害虫の被害をさほど受けずにうまくいっているエリアでは、菌根ネットワークがうまく機能していて、そうでないエリアは、ネットワークがうまく機能していないと仮定してみます。そうだとすると、菌根ネットワークがうまく機能するような手助けをしてあげれば、もっと植物が健康に育ち、美しいコロニーを形成していくのではないだろうか？と、これまでになかった植栽管理方法へ想像が広がっていきます。

さて、中国のことわざにこんなものがあるそうです。「一晩だけの楽しみならお酒を飲んでおいしいものを食べていればいい。十日間楽しみたかったら、豚一頭を料理して仲間を集めて一緒に食べていればいい。一生楽しみたかったら庭師になれ。」

一生楽しめる仕事に就くことができた幸運に感謝し、今年も楽しんで仕事をしていきたいですね。

株式会社Q－GARDEN　代表取締役 小島理恵