2019年 新年のご挨拶

2019-01-04

明けましておめでとうございます。
旧年中は、多くの方に大変お世話になりました。

さて、ここ数年、ガーデニング関係者の間では、「New Perennial Movement」もしくは、「Dutch Wave」ということが盛んに言われるようになってきておりまして、(簡単に訳すと、「宿根草を多用したガーデニングの新しい波」的な感じでしょうか‥・)私自身、それらを実際に目にするために、昨年は、真冬にロンドンのオリンピックパークへ行ったり、夏にオランダのガーデンツアーに参加したりしたのでした。実際に目にすることによって、技術的なことなど直接わかることがたくさんあるのですが、今日は、そのことはさておき・・・

オランダツアーで訪れたVOORLINDENという、森とガーデンとミュージアムが一体となったような施設があるのですが、そこで、ジェームズ・タレルの「Skyspace」という作品を目にしました。その時は、時間が無かったので、ちらっとベンチに座ってみただけでそこを後にしたのですが、その2か月後、たまたま友人と訪れた、金沢21世紀美術館で、再びジェームズ・タレルの「Blue Planet Sky」という作品に出会ったのでした。どちらも、「空を切り取る」というコンセプトで同じ作品といえます。(こういうのを「Site-specific Art」という。)

さて、ガーデンはフランスの「整形式庭園」に代表されるように、まるで自然に抗うように植物を人工的に仕立てたり、「ローズガーデン」に代表されるように、自然界には無い景色をつくりだそうとしたりしてきたこれまでの動きに、近年、変化が見られています。それが、おおざっぱに言えば、先に述べた「New Perennial Movement」ということになるのですが、これは要するに、

「自然を切り取る」

ということなのではないか?と、ジェームズ・タレルによって切り取られた空を眺めながら思ったのでした。

学生時代、様々な国の人の「森林感」を比較研究するという教授のプロジェクトをお手伝いさせていただく中で、「全くの手つかず」の自然は、どの国の人にとっても畏怖の念を抱くような存在であるが、「少し手の入った」里山のような自然は、どの国の人にとっても親しみやすいものであるということを知りました。

これからのガーデンが目指すものは、そんな「少し手の入った自然」に近いものになっていくのではないか?
そんな気がしています。
自然のどういう部分を、どのように解釈して切り取るのか?そこに、ガーデナーの個性が出てくるような方向に進んでいくのではないか?と。

今年は、これまでに学んだことや、得た経験を活かし、日本にとっての新しいガーデンづくりに進んでいく年になりそうです。

本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

すべての庭をオーガニックに!
株式会社Q-GARDEN
代表取締役 小島理恵

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