横浜市 「横浜妙蓮寺シティハウス」マンション植栽リニューアル

横浜市内の東急東横線沿線にある、1991年3月に竣工した総戸数36戸の6階建てのマンションの植栽リニューアルの案件です。

もともとマンションの敷地内には、坪庭などの植栽の場所が数か所配置されていました。築25年を迎えた2016年に建物の大規模修繕を行ったところ、建物が綺麗になったことで、このグリーンのエリアや環境設備面において従来の問題点が目立つようになり、それを改善するために翌年の2017年、Q-GARDENがトータルプロデュースを請け負いました。

数か所に点在する植栽エリアのうちで一番大きいのは2か所の中庭です。中庭は、地盤沈下・水はけが悪い・日当たりが悪いなど、問題点の多い環境でした。そのうえ、適切な植物が植わっていないことで、さらに植物の生育状態が悪く、せっかくの中庭スペースが、長年淋しい景観となっていました。そこで、まず水はけの改良を施し、枯れた植物は撤去しつつ、ごく暗い環境でも生育する樹種を選択しました。ソヨゴ、カクレミノ、ハイノキ、ツワブキ、タマリュウなどです。もとからある大きな景石を活かして和風に仕上げました。二つの中庭は、同時に視界に入ることも考慮し、続きのエリアと考えてイメージを統一しています。そして、照明器具をアッパーライトに変更し、イロハモミジを下から照らすことで、夜も美しい陰影を楽しむことができるようになりました。

マンションの顔であるエントランスエリアも、“暗い”という問題がありました。まず、正面玄関の外部エントランスの両脇にある植え込みの改善に取り組みました。既存のツバキの生垣はそのまま活かし、サツキなどの低木を葉色の明るい品種(アベリア)に植え替えました。鬱蒼としていた奥の植え込みをスッキリさせ、正面扉の脇にスポットライトを追加して館銘板(マンション名)を照らすようにしました。そうすることで、全体的に明るいイメージへ変化させました。

エントランスホールやエレベーターホールの環境改善にも取り組みました。ニッチ部分に置いてあったフラワーベースの造花を撤去し、フレーム(額縁)にアーティフィシャルグリーンをアレンジしたものをニッチ奥正面の壁に設置。そして、エントランスに配置されていた既存のステンレス製プランターの中に、直接アーティフィシャルグリーンをアレンジメントしました。エレベーターホールにも、寄せ植えのアーティフィシャルグリーンの中木を二基設置しました。アーティフィシャルグリーンを活用してインテリアコーディネートしたことで、エントランスホールがモダンなイメージに一新しました。

今回の施工デザインのポイントは、マンション竣工時のコンセプトを崩さずに、住民の動線、昼夜の景観を配慮し、屋内と屋内をつながりのある空間として緑を楽しめるようにトータル設計したことです。また木工職人にオリジナルのフレームを、フラワーアーティストにアーティフィシャルグリーンを依頼するなど、Q-GARDENの強みである広い分野のプロとのコラボレーションを実現しました。

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